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超高齢化社会になっている日本。
高齢者の数が増え、自宅の改修を行う方も少なくないようですね。
改修の中で多いのは、手摺の設置。
そこで今回は『階段手摺の高さの基準はどのくらい?建築基準法によって定められてるの?』をテーマにお届けします。
どうぞ最後までお付き合いください。
Contents
手摺の高さは建築基準法によって定められてるの?
建築基準法には、次のような記載があります。
第25条 階段等の手すり等
1 階段には、手すりを設けなければならない。
2 階段及びその踊場の両側(手すりが設けられた側を除く。)には、側壁又はこれに代わるものを設けなければならない。
3 階段の幅が3mをこえる場合においては、中間に手すりを設けなければならない。ただし、けあげが15cm以下で、かつ、踏面が30cm以上のものにあつては、この限りでない。
4 前3項の規定は、高さ1m以下の階段の部分には、適用しない
(https://bit.ly/2XAvSRn)
建築基準法に手すりの高さの記載ないため、法的には高さは定まっていません。
つまり、その方にとって良い高さがあるということです。
設計者が、常識の範囲内で設計をして良いということですね。
高すぎると後ろに重心がいき、低すぎると前に重心がいくので転倒の危険があります。
手摺の高さは75cmが良い?
一般的には、階段の段鼻から75cmくらいの高さが良いとされているようです。
傾斜が45°以上の階段は、両側に手摺が必要です。
廊下用の手摺の高さの目安が75cmとされています。
公共施設等の手摺は、その高さで設置していることが多いです。
実際には75cm~80cm程度が良いかもしれませんね。
階段の場合は、落下防止が目的です。
階段斜め部分は、階段の段鼻(だんばな)から垂直高さ75cm前後が標準的です。
段鼻で75cmにすると、踏面(ふみづら)の真ん中でおおよそ80cmの高さになります。
手摺の設置位置
傾斜が45°以上の階段は急勾配のため、両手で手摺を持たないと危険ですよね。
その場合は、両手手摺が必須です。
また、45°未満の階段でも片側に手摺が必要になります。
水平部分では廊下と同じ高さで考えるので、階段手すりは斜め部分と、始まり・終わり・踊り場の水平部分で高さの測り方が変わります。
手摺が高過ぎてしまうと身体の重心が後方になります。
高齢者の中には、柔軟な踏み込みができない方や背中が丸くなった方もいます。
そのような方が高めの手摺を使って、後方重心で階段を上がるのは危険な状態になってしまいます。
高さ1m以内の階段は手摺設置不要
建築基準法では、高さ1m以内の階段には手摺を設置しなくても良いことになっています。
何故でしょう?
落下の危険度が低いからです。
ちなみに、階段手摺の柵の間隔は11cm以下になっています。
広すぎると、小さな子どもが落下する危険があるからです。
子どもの動きは予測がつかないものですので、幅広だとすり抜けなどもあり得ますよね。
ちょうど良い高さとは?
身長・身体機能にもよりますが、手すりの高さを決める測り方があります。
・腕を真っ直ぐ下ろした状態で手首の位置
・大腿骨大転子の位置
・サイズを合わせて作った杖の高さ
などなど。
以上の測り方をすると、手摺の高さは床から75cm~85cmの範囲が多くなりますが、背の小さい方、大きい方にあった手摺の高さが設置できます。
高齢化社会にはバリアフリー
現在、超高齢化社会に突入し、バリアフリーがだいぶ広まってきましたよね。
バリアフリー法の改正内容とはどんなものなのでしょうか?
公立小中学校のバリアフリー整備義務化
今回の法改正で、公立小中学校にバリアフリー整備義務を課すという方向性が示されました。
これをキッカケに、障害のある人もない人もともに学び育つことができる学校が実現できますよね!!
道路上のバスターミナルもバリアフリー整備義務化
今回の改正で道路上のバスターミナル(バス等の旅客の乗降のために道路施設)も法の対象となります。
これも、良い改正ポイントですよね。
新宿にあるバスタ新宿は、バリアフリー整備が不十分であると問題視されているようです。
この改正で、道路上のバスターミナルがバリアフリー化されるようになりました。
タクシー、バス、鉄道事業者は、スロープ設置の習熟を義務化
車いすユーザの乗車拒否がある中、今回の法改正がありました。
接遇の改善も不可欠です。
今回の改正で公共交通事業者等に対し、ハード基準への適合維持義務が課されている旅客施設や車両について、適切な役務の提供を確保するためのソフト基準(スロープ板の適切な操作等)への適合を義務付けています。
交通結節点での事業者間の協議を努力義務化
以下の内容が盛り込まれることになりました。
●ホテルとホテル内飲食店のバリアフリーの認定制度を創設する(バリアフリー情報公開)
●心のバリアフリーなどのソフト対策の取り組み強化
●トイレの利用マナー啓発キャンペーン等の取組強化
●車両の優先席、車いす使用者用駐車場などの適正な利用に関する規定を追加
●市町村が作成するマスタープランに「心のバリアフリー」に関する事項を追加
●バリアフリーの促進に関し国が地方公共団体に助言・指導(マスタープランを地域の実情を踏まえて作成できるように柔軟な運用の明確化を検討)
●小規模店舗のバリアフリー化について、自治体に委任条例の策定を促すとともに、関係省庁に対し、業界団体を通じた積極的な小規模店舗のバリアフリーの取組を要請
まとめ
・手摺の高さは建築基準法によって定められていない
・一般的に、手摺の高さは750mm~800mmほどとされている
・手すりの高さは大腿骨大転子の高さにあわせるのがベストとされている
・高齢化社会にはバリアフリーが主とされ、心のバリアフリーも重要となる
高齢者の増加や、オリンピックを機に共生社会実現に向けた制度の整備がなされています。
しかし、バリアフリーには、「心のバリアフリー」が重要になります。
心のバリアフリーにより、手摺の高さがその人それぞれにあったものを自宅で設置できたり、社会での手摺設置の広がりとなればよいですよね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。